導入1: 自力で腰痛を治したお話

公開日: 2015年12月9日水曜日 アレクサンダー・テクニーク 持論

こんにちは、リトピです。

この「独学でも出来る「アレクサンダー・テクニーク」」では、いかにもアヤシイ名前の「アレクサンダー・テクニーク」(以下A・T)とは何か、を私が体感したことを交えながらお話ししていこう、というコーナーです。

今回は、このコーナーの最初の記事ということで、まずA・Tの考え方の凄さを理解していただくために、腰痛もちだった私がA・Tを用いてお金をかけずに自力で治したお話をいたします。

よく聞く腰痛の原因と改善法の種類

腰痛の原因ってなんだと思いますか?よく挙げられるのは以下の3点だと思います。

  • 身体の歪み ← 身体の問題
  • 腰が弱い・筋力の低下 ← 身体の問題
  • ストレス ← 精神的な問題
これらの改善法としては、「姿勢を正す」「身体を鍛える」「ストレスをなくす」が挙げられると思いますが、残念ながら、どれも中途半端です。なぜ、中途半端なのか、一つ一つ見てみましょう。

姿勢を正しましょう

えっと…正しい姿勢ってどんな姿勢かご存知ですか?胸を張って背筋をピンと伸ばす?ぃゃぃゃ、もし、本当に正しい姿勢を知っているようでしたら、アナタはそもそも腰痛なんかになっていないでしょう。

そして…整体に行くだけでは腰痛は絶対に治らない、と私は推測しています。もちろん、整体に行ったときは身体の歪みが治っているので、腰の痛みはなくなるでしょう。しかし、その身体の歪みは、アナタ自身が正しい姿勢を知らなかった(正しい姿勢をとらなかった)せいで、小さな歪みが長年の月日をかけて蓄積してしまった結果ではないでしょうか。なので、いくら整体でパッと治せたとしても、元が悪ければ(姿勢に対しての正しいイメージがなければ)まったく意味はなく、腰痛はまた絶対に再発します。

つまり、「姿勢を正しましょう」というのは、たしかに腰痛を治すために必須なのですが、何がアナタの身体にとって正しい姿勢なのかを【本質的な部分まで】知る必要があります。

身体を鍛えましょう

これはピアノ同様、一番やっちゃいけない対処法のパターン。「えっ?」と思った方もいらっしゃると思いますので、ちょっと考えてみましょう。

例えば…朝起きたら、ひもを通した車のタイヤがアナタの腰に巻き付けられていました(図1)。このままだと歩くときに腰は痛くなるし身体はしんどい。どうにかしなきゃいけないけど、毎日通勤・通学はしなければいけない。。。さて、このときアナタはどうしますか?

図1. タイヤが身体に巻き付けられているぞっ!さあどうする!?

回答. 腰が痛くならないように身体を鍛える

えええぇ!?マジでその車のタイヤ(腰が痛くなる原因)を抱えたまま毎日移動します??私だったら「回答. 車のタイヤと腰につながっているひも(腰を痛くさせている根源)を切る」という項目を選択します。痛くなっている部分を痛くなくなるまで鍛えるのではなく、そもそも痛くさせている原因自体を取り除く、という選択をした方がよっぽど賢いと思いませんか?

それでも(腰痛を治すため、という理由で)身体を鍛えたい、というアナタ。書籍『音楽家のためのアレクサンダー・テクニーク入門』で書かれていた面白いエピソードをお話ししておきますね。

アフリカでは、小さな子供や女性、さらにはお年寄りでさえ、ひょいひょいと重たい荷物を頭に載せて軽々と歩いているそうです。でも一方で、一流のアスリートの間で腰痛に苦しんでいる方がいらっしゃる。さて…腰すら痛めていないアフリカに住む彼らは、そんな一流アスリートよりも筋力があるのでしょうか?

図2. さぁ、筋力があるのはどっち!?

上記の問いにまで"Yes!"(アフリカの人たちの方が筋力がある!)と答えた方は、死に物狂いで一流アスリートより身体を鍛えてくださいね、腰痛を治すために。。。(そんな考えでは、一生かかっても腰痛を治すことは無理でしょう…というか、そこまで必死に一流アスリートより身体を鍛えられる人であれば、そもそも腰痛なんて持ってないんじゃないか?)

ストレス発散 or ストレスの元を絶つ

これも、悪くない発想のように感じます。すべての痛みはストレスからくる、と。。。でも、ストレスなんて日々、仕事していようが家にいようが、どんな状況でも受けるわけです。それらすべて、回避することなんて出来るワケないでしょう。それに、腰が痛くなるたびに、それらのストレスをいちいち発散してたら大変です。

この発想はストレスから「逃げている」状態です。一生逃げ続けるおつもりですか?むしろ、そういった日々降りかかっているストレスをスッと「受け入れる」、もしくは「共に生きる」状態の方が、よっぽど健全だと思いませんか?

A・Tを用いた腰痛改善法: 概要

さて、一般的に考えられている腰痛の原因と対処法についてバッサリと切らせていただきました。ここまでで上記の内容について納得できなかった方は、どうぞ「正しい姿勢」について研究して、必死に「身体を鍛えて」、たまに外にでも出て「ストレス発散」でもしてきてください。

ただし、残念ながら、それでは絶対に腰痛は治らないでしょう(体験談)。

ここで、「じゃあ、お前の言う腰痛の【本当の】原因って何なんだよ!」「どうしたら【本当に】腰痛が治るのか早く教えて!」と思っていただけたのならば…そう慌てずに、とりあえず下の内容を見てみましょう(ぇ

とにかく…腰痛もちだった私が自力で治すときに活用したのが「アレクサンダー・テクニーク」(A・T)というもの。いかにもアヤシそうな内容ですが、簡単に言うと「【正しい身体の使い方】の本質を見つける方法」を学ぶ、ということ。これが一体何なのかは、説明するとややこしくなるので、とりあえず今回は気にせず、なるべくA・Tの用語も使わず、話を進めます。

A・Tの考え方による腰痛の原因

一般的な腰痛の原因として、「身体が歪んでいるから…」とか「この腰が弱いから…」、そして「日々のストレスが原因で…」とか、言っている、と上記でご紹介しました。実はこれ、【自分は悪くない、けど】という言葉が最初に隠れているのに気付きましたか?

A・Tを用いた腰痛改善のまず一つ目のステップは、「腰を痛くしている原因を作っているのは【自分自身】である」ということを認めることです。つまり「【私自身が】身体を歪ませているから…」とか「【私自身が】腰を弱らせているから…」、そして「【私自身が】日々のストレスをため込んでいるから…」と、言う具合です。

しかし、ここで…「でもさ、アタイは何もしてないよ!?」と言う人も中にはいらっしゃるでしょう。そんな方はこう考えてください。

アナタは「何もしない」のに腰が痛いんじゃなくて、「何も【意識】していない」から腰が痛いんです。アナタが「何も【意識】していない」とき、何らかの要因(大抵は(悪い)習慣)で、自ら腰を痛める体勢をとっています。腰痛は、腰が弱い(悪い)のではなく、アナタ自身が腰を酷使させ、弱く(悪く)させている、と。

これが、A・Tの考え方による腰痛の原因です。つまり、アナタは、「何も【意識】していない」せいで、アナタ自身の(悪い)習慣が、アナタに「何かをさせて」いる、ということです。腰を痛くさせている根源は、アナタ自身の(悪い)習慣だったわけですね。じゃ、腰痛を治す方法は…そりゃ、そのアナタ自身の(悪い)習慣を捨てて、新しい(良い)習慣に変えればいいんです。この考えは肩こりを持つ人にも適応できるでしょう。

A・T流、腰痛の治し方: 準備

では、これから、どうやって私が腰痛を治したのかをお話ししますが、簡単に言うと…

  1. 【人間の構造的に】正しい姿勢を知っておく必要がある
  2. 「何もしない」という行動も自ら選択できると思うこと
  3. 決して自分自身の身体をコントロールさせようとは思わないこと
  4. 常にポジティブな思考で物事を意識すること
ということを意識しています。

この#1について大事なのは、【人間の構造的に】という部分。アナタが好きだ、楽だと感じる姿勢は、ここでは全くの無意味。アナタの好みの感覚が狂っているせいで、【人間の構造的に】悪い姿勢を取る習慣が出来上がり、その結果として「腰痛」が出ていることを素直に認めましょう。そう、腰を悪くしているのは誰でもない自分自身ですからっ!!

ただ、わざわざ「解剖学」なんかの専門書を持ってこなくても、書籍『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』などで簡単に【人間の構造的に】正しい姿勢を学んでおくだけで十分です。せっかくなのでピアノにも応用できるようにしておきましょう。

残りの#2~#4は、A・Tの肝の部分なのですが、ここで説明すると複雑になるので、今後詳しく解説しますね。

A・T流、腰痛の治し方: 概要

私が腰痛を自力で治した流れは以下の通りです。

  1. 鏡で現状確認: 腰を酷使している身体の形を把握する
  2. 立っているとき、腰を酷使する形になろうとする瞬間を感じる
  3. 最初に頭が後ろに傾いてから腰を酷使する形になることがわかる
  4. まず頭が後ろに傾こうとする意識を止める
  5. 【人間の構造的に】正しい姿勢の位置を意識する
  6. 頭・首・背中を意識しながら#5の形に移動させる
えぇ、たったこれだけです。大事なのは、「習慣の上書きは出来ないので、まずは今までの習慣を止める」という考え方。これだけのことが意識できれば自力でお金をかけずに腰痛を治せます。

詳細は次回「導入2: 自力で腰痛を治したお話~実践編~」で。

では

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